洗口液の選び方|「洗口液・液体歯磨き・うがい薬」の違いから解説

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「洗口液って、使ったほうがいいんですか?」——診療室でときどき聞かれる質問です。ドラッグストアの棚にはたくさんの商品が並んでいて、どれを選べばいいのか分からない、という声もよく耳にします。

結論から言うと、洗口液は歯みがきの代わりにはなりません。ただし目的に合う製品を表示どおりに使えば、毎日のケアを補助する選択肢になります。大切なのは、自分の目的に合ったものを選ぶことです。

この記事では現役の歯科医師として、洗口液選びで最初につまずきやすい「3つの分類」の見分け方から、目的別の選び方、自分が使ってきた1本までを紹介します。そもそも洗口液に効果があるのかを知りたい方は、マウスウォッシュは意味ない? 洗口液の本当の効果と正しい使い方もあわせてどうぞ。

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  1. 洗口液選びは「3つの分類」を知ると迷わなくなる
    1. 洗口液:すすぐだけ。歯みがきの補助として使うもの
    2. 液体歯磨き:すすいだあとにブラッシングが必要
    3. うがい薬(含嗽剤):口やのどの殺菌が目的の別カテゴリ
    4. 見分け方は「ボトルの表示」
  2. 目的別|自分に合う洗口液の選び方
    1. 歯ぐき・歯周病が気になるなら
    2. 虫歯を予防したいなら
    3. 口臭が気になるなら
    4. 刺激が苦手・毎日続けたいなら
    5. 子どもに使わせたいなら
  3. 歯科で見かける定番と市販品はどう違う?
    1. 歯科専売品=必ず効果が高い、ではない
    2. 濃度と使い方の指定が細かい製品もある
    3. 価格差をどう考えるか
  4. 自分が使ってきたのは、この1本
    1. 選んでいた理由と使い方
    2. 正直、気になるところ
  5. ほかにこんな選択肢もあります
    1. 勤め先にも置いてある「システマ SP-T メディカルガーグル」
    2. 歯科で定番の希釈タイプ「コンクールF」
    3. 市販で手に入りやすいタイプ
    4. 「フッ化物洗口剤」は、ふつうの洗口液とは分類が違う
  6. 洗口液の正しい使い方とタイミング
    1. 使う量とすすぐ時間
    2. 使ったあとに水ですすいでいい?
    3. やってはいけない使い方
  7. 洗口液より先にやってほしいことがあります
    1. うがいでは歯垢は落ちない
    2. 優先順位はフロス・歯間ブラシが先
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|まずは「分類」、次に「目的」で選ぶ
  10. 参考文献・出典

洗口液選びは「3つの分類」を知ると迷わなくなる

洗口液・液体歯磨き・うがい薬の3分類を示す図

洗口液選びで失敗する一番の原因は、種類の違う商品を同じものだと思って選んでいることです。液体のオーラルケア用品は、大きく3つに分かれます。

洗口液:すすぐだけ。歯みがきの補助として使うもの

洗口液とは、歯ブラシを使わずに、口に含んですすいで吐き出すタイプの製品のことです。業界団体の定義でも「歯ブラシを使わずに、適量、口に含んですすぐことにより、主に口臭の防止や口中の浄化をするもの」とされています。

歯みがきのあとの仕上げや、外出先で歯みがきができないときに向いています。

液体歯磨き:すすいだあとにブラッシングが必要

液体歯磨き(液体ハミガキ)は、名前のとおり歯磨き粉の仲間です。口に含んで行き渡らせたあと、歯ブラシでブラッシングをして使います。

「すすぐだけで終わり」と思って使っている方が意外と多いのですが、それでは本来の使い方になりません。ここが一番多い勘違いです。

うがい薬(含嗽剤):口やのどの殺菌が目的の別カテゴリ

うがい薬(含嗽剤)は、口の中やのどの殺菌・消毒などを目的とした医薬品・指定医薬部外品です。効能や使い方は製品ごとに違うので、表示を確認してください。

歯科医院で見かけるものもありますが、歯肉炎の予防を効能に掲げていない製品もあります。風邪の予防でうがいをするときのイメージに近く、毎日の歯周病ケアのために選ぶものとは限りません。

見分け方は「ボトルの表示」

迷ったときは、パッケージを見てください。液体タイプの商品には「洗口液」「液体ハミガキ」のいずれかが必ず表示されています。うがい薬の場合は「含嗽剤(がんそうざい)」と書かれています。

種類使い方主な目的表示
洗口液口に含んですすぎ、吐き出す(ブラッシング不要)口臭の防止、口の中の浄化「洗口液」
液体歯磨き口に含んだあと、歯ブラシでブラッシングむし歯・歯周病の予防、口臭の防止「液体ハミガキ」
うがい薬製品の表示に従ってうがい(希釈タイプ・原液タイプがある)口の中やのどの殺菌・消毒など「含嗽剤」
出典:日本歯磨工業会「歯みがきQ&A」、ライオン歯科材「Systema SP-T メディカルガーグル」製品情報
しょう
しょう

ここだけは覚えて帰ってほしいんだ。ボトルに「液体ハミガキ」と書いてあったら、すすいだあとに歯ブラシが必要だよ。買う前にラベルを見るクセをつけておくと安心だね。

目的別|自分に合う洗口液の選び方

棚の前で洗口液を選ぶ女性

分類が分かったら、次は目的です。洗口液は「何のために使うか」で選ぶ製品が変わります

歯ぐき・歯周病が気になるなら

歯ぐきの腫れや出血が気になる方は、歯肉炎の予防をうたっている医薬部外品を選びます。パッケージの効能欄に「歯肉炎の予防」と書かれているかを確認してください。

殺菌成分に加えて、炎症をおさえる成分が入っているものが多くあります。ただし、洗口液だけで歯周病が良くなるわけではありません。くわしくは歯周病は予防できる?セルフケア・生活習慣・プロケアを参考にしてください。

虫歯を予防したいなら

虫歯予防が目的なら、フッ素(フッ化物)が入っているかを確認します。ここで気をつけたいのが、フッ素入りの製品には医薬部外品の洗口液と、医薬品の「フッ化物洗口剤」の2種類があることです。違いは後半でくわしく説明します。

ただし、毎日の虫歯予防でまず効果が期待できるのは、フッ素入りの歯磨き粉です。洗口液はその上乗せと考えるのがおすすめです。濃度の選び方は歯磨き粉のフッ素は安全?濃度の選び方【年齢別早見表】にまとめています。

口臭が気になるなら

口臭対策で洗口液を選ぶなら、殺菌成分入りのものが向いています。ただ、口臭の原因が舌の汚れや歯周病にある場合、洗口液だけでは解決しません

原因の見分け方は口臭の原因は舌苔・歯周病かも?セルフチェックと対策舌磨きで口臭は防げる?で解説しています。

刺激が苦手・毎日続けたいなら

「ピリピリして続かない」という方は、ノンアルコールタイプを選んでください。刺激には、アルコール(エタノール)やメントールなどの香味成分が関係します。

毎日続けることが前提のものなので、使っていて苦にならないことは大事な選択基準です。

子どもに使わせたいなら

子どもに使う場合、まず確認したいのは口に含んだものをきちんと吐き出せるかどうかです。そのうえで製品ごとの対象年齢と使い方を確認し、刺激が苦手ならノンアルコールタイプを選んでください。飲み込んでしまう年齢のうちは、無理に使う必要はありません。

目的確認したい表示・成分ひとこと
歯ぐき・歯周病効能に「歯肉炎の予防」/殺菌成分・抗炎症成分洗口液だけでは治らない。歯みがきとセットで
虫歯予防フッ素(フッ化物)配合まずはフッ素入り歯磨き粉が主役
口臭殺菌成分/効能に「口臭の防止」原因が舌や歯周病なら、そちらの対処が先
刺激が苦手ノンアルコール表示続けられるかどうかが一番大事
子ども対象年齢の表示/ノンアルコール表示吐き出せるようになってから
出典:日本歯磨工業会「歯みがきQ&A」、厚生労働省 e-ヘルスネット「歯みがきを助けるもの(電動歯ブラシ・歯磨剤・洗口液)」

歯科で見かける定番と市販品はどう違う?

歯科専売品のほうが効くのでは、と思われることがあります。結論としては、専売品だから必ず効果が高い、とは言えません

歯科専売品=必ず効果が高い、ではない

歯科医院で扱う製品にも、医薬部外品の洗口液や指定医薬部外品の含嗽剤など、いくつかの分類があります。市販品と同じ枠組みのものも多く、「専売」は主に流通の話であって、効果の等級ではありません。分類・効能・成分は製品ごとに確認してください。

濃度と使い方の指定が細かい製品もある

違いとして分かりやすいのは、使い方の指定が細かいことです。「水100mLに6〜10滴」「原液を10mL」など、量が具体的に決まっている製品もあります。

これは裏を返せば、その通りに使わないと想定された使い方にならないということでもあります。

価格差をどう考えるか

洗口液は毎日使うものなので、続けられる価格かどうかは大事です。希釈タイプは1本が長持ちしやすく、原液タイプは手間がかからない、という違いもあります。価格だけでなく、自分が続けやすい形かどうかで選んでください。

しょう
しょう

歯科医院で売っているものが、それだけで効果が高いというわけではないんだ。分類は市販品と同じことも多いよ。それより、使い方どおりに毎日続けられるかのほうが差が出ると思うよ。

自分が使ってきたのは、この1本

自分が使ってきた洗口液はモンダミン ハビットプロです。歯科医院で扱われている洗口液で、医薬部外品にあたります。

正直にお伝えすると、いまは毎日は使っていません。歯みがきとフロスが習慣になっていれば、洗口液がなくても困る場面が少ないためです。ただ、洗口液を選ぶなら合う1本だと思っていて、患者さんに聞かれたときには紹介しています。

選んでいた理由と使い方

選んでいた理由は3つあります。薄めずそのまま使えることノンアルコールで刺激が少ないこと、そして歯ぐきをケアする成分が入っていることです。

使い方は、10〜20mLほどを口に含んで20〜30秒すすいで吐き出すだけ。使ったあとに水ですすぐ必要はありません。くわしい使用感はモンダミン ハビットプロを正直レビューにまとめています。

正直、気になるところ

市販のモンダミンと比べると価格はやや高めです。また、当然ですがこれを使ったからといって歯みがきを省略できるわけではありません。効能も「歯垢の付着を防ぐ」であって、ついてしまった歯垢を落とすものではない点は理解しておいてください。

しょう
しょう

「洗口液って使ったほうがいいですか?」って聞かれたら、自分は「補助として使うといいですよ」と答えているよ。自分自身はいま毎日は使っていないんだけど、選ぶならこれかな、という1本だね。

ほかにこんな選択肢もあります

見た目が似た2本のボトルが別の役割を持つことを示す図

ここからは、自分は使っていないけれど、歯科の現場でよく見かける選択肢を紹介します。「こういうものもあるよ」という温度感で読んでください。

勤め先にも置いてある「システマ SP-T メディカルガーグル」

勤め先にも置いてある製品です。ただしこれは洗口液ではなく「うがい薬(含嗽剤)」で、効能は口の中とのどの殺菌・消毒・洗浄・口臭の除去。歯肉炎の予防は効能に含まれていません。

ややこしいのですが、同じSP-Tシリーズには「SP-T 洗口液」という別製品があり、そちらは医薬部外品の洗口液で歯肉炎の予防をうたっています。名前が似ているので、買うときは分類を確認してください。歯周病ケア目的なら、同シリーズのシステマSP-Tジェルのような歯磨き剤のほうが目的に合います。

歯科で定番の希釈タイプ「コンクールF」

勤め先でも扱っている、歯科ではおなじみの医薬部外品です。水25〜50mLに5〜10滴たらして使う希釈タイプで、1本100mLと小さいわりに長く使えます。

効能はむし歯の発生および進行の予防、歯肉炎の予防、歯槽膿漏の予防、口臭の防止と幅広めです。ただし、続けて使うと歯に着色が起こることがある点と、クロルヘキシジンにアレルギーのある方は使えない点は知っておいてください。

市販で手に入りやすいタイプ

ドラッグストアで買える製品にも、ノンアルコールのものやフッ素配合のものがあります。毎日続けやすさを重視するなら、買いやすさも立派な選択基準です。この場合も、まず「洗口液」か「液体ハミガキ」かの表示を確認してください。

「フッ化物洗口剤」は、ふつうの洗口液とは分類が違う

虫歯予防のための「フッ化物洗口」で使う薬剤は、医薬部外品の洗口液とは分類が違う「医薬品」です。ここは混同しやすいので、分けて考えてください。

フッ化物洗口剤には、歯科医院で処方される医療用医薬品のほか、薬局やドラッグストアで買える一般用医薬品(第3類医薬品)もあります。市販されているものもある、という点は知っておくといいでしょう。

どちらも対象年齢と1日の使用回数が製品ごとに決められています。使う前に添付文書や表示を必ず確認し、迷う場合は歯科医師や薬剤師に相談してください。

洗口液の正しい使い方とタイミング

洗面所で洗口液をすすぐ男性

製品を選んだら、あとは使い方です。ポイントは「表示どおりの量」と「使ったあとのすすぎ方」の2つです。

使う量とすすぐ時間

量は製品の表示に従ってください。原液タイプは10〜20mL程度、希釈タイプは決められた水の量に指定の滴数を落とします。すすぐ時間は20〜30秒を目安にしている製品が多くあります。

使ったあとに水ですすいでいい?

すすがないほうが効果的とされています。せっかくの薬用成分が流れてしまうためです。ただし、すすぎの要否は製品によって指定が違うので、まずは表示を確認してください。

刺激や違和感が残って気になる場合は、水で軽くすすいでかまいません。無理をする必要はありません。

やってはいけない使い方

  • 歯みがきの代わりにする(一番やってはいけない使い方です)
  • 希釈タイプを原液のまま使う
  • 液体歯磨きを、すすぐだけで終わらせる
  • 作り置きをする(希釈タイプは使うたびに作る)

洗口液より先にやってほしいことがあります

歯みがき・フロスが先、洗口液は後という優先順位を示す図

最後に、歯科医師として一番伝えたいことです。洗口液は、歯ブラシとフロスの代わりにはなりません。

うがいでは歯垢は落ちない

歯垢(プラーク/細菌のかたまり)は歯の表面にへばりついていて、うがいで流れ落ちるものではありません。公的機関の情報でも、洗口液はあくまで補助的なものと位置づけられています。

優先順位はフロス・歯間ブラシが先

もし今、洗口液を買うか迷っていて、フロスや歯間ブラシをまだ使っていないのであれば、先に手をつけるべきはそちらです。歯と歯の間の汚れは歯ブラシだけでは落ちにくく、ここが虫歯と歯周病の起点になりやすいためです。

道具選びはデンタルフロスの選び方フロスと歯間ブラシの使い分けを、みがき方は正しい歯磨きの方法を参考にしてください。

しょう
しょう

洗口液を足すより、フロスを1日1回はじめるほうが変化は大きいと思うよ。順番を間違えないでほしいんだ。洗口液は、その上に乗せる「もう一手間」だね。

よくある質問(FAQ)

Q. 洗口液は毎日使っても大丈夫ですか?
A. 毎日使える製品はありますが、対象年齢・使用回数・注意事項は製品ごとに違います。表示に従って使ってください。刺激が強いと感じるときはノンアルコールタイプへ、発疹やしみるなどの異常が出た場合は使用を中止してください。

Q. 洗口液と液体歯磨き、どちらを選べばいいですか?
A. 歯みがきのあとの仕上げに使いたいなら洗口液、歯磨き粉の代わりとして使いたいなら液体歯磨きです。液体歯磨きは、そのあとにブラッシングが必要な点に注意してください。

Q. 使うタイミングはいつがいいですか?
A. 歯みがきのあとの仕上げが基本です。外出先や職場など、歯みがきができないタイミングで使うのもいい方法です。

Q. 洗口液を使えば歯みがきを減らせますか?
A. 減らせません。歯垢はうがいでは落ちないためです。洗口液はあくまで補助として位置づけてください。

Q. 子どもは何歳から使えますか?
A. 対象年齢は製品ごとに決められているため、表示を確認してください。共通して大切なのは、口に含んだものをきちんと吐き出せることです。刺激が苦手な場合はノンアルコールタイプを選んでください。

Q. 歯が着色すると聞きましたが本当ですか?
A. 成分によっては、続けて使ううちに歯の表面に着色が起こることがあります。気になる場合は歯科医院で相談すると、製品の変更や着色を落とすケアを提案してもらえます。

まとめ|まずは「分類」、次に「目的」で選ぶ

洗口液の選び方をまとめる歯科医師

洗口液選びのポイントを整理します。

  • 液体のケア用品は洗口液・液体歯磨き・うがい薬の3つ。ボトルの表示で見分けられる
  • 次に目的(歯ぐき・虫歯・口臭・刺激の少なさ)で選ぶ
  • 歯科専売品だから効果が高い、とは限らない。続けられるかどうかが大事
  • 使ったあとは水ですすがないほうが効果的(すすぎ方の指定は製品ごとに確認)
  • フロス・歯間ブラシのほうが優先度は高い。洗口液はその上の一手間

気になる症状がある場合や、自分に合うものが分からない場合は、かかりつけの歯科医院で相談してみてください。口の状態を見たうえで提案してもらえます。

ほかのケア用品の選び方は歯磨き粉の選び方、自分が使っているものは歯科医師の愛用オーラルケア用品まとめにまとめています。

参考文献・出典

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