スポーツマウスガードの効果と費用|市販と歯科医院製の違いを解説

予防・セルフケア

お子さんが部活や少年団でスポーツを始めて、「歯を折ったりしないかな」と気になったことはありませんか。大人でも、社会人チームで前歯をぶつけてヒヤッとした経験がある方は少なくありません。

結論からお伝えすると、スポーツマウスガード(スポーツ用マウスピース)は、歯と口のケガを減らせる道具です。ただし「何でも防げる万能品」ではなく、競技によって使えるルールも決まっています。

この記事では、現役歯科医師の立場から、効果、競技ごとのルール、市販品と歯科医院製の違い、費用とお手入れまでをまとめました。夜の歯ぎしり用との違いも整理します(歯ぎしり用は歯ぎしり用マウスピース(ナイトガード)で解説しています)。

  1. スポーツマウスガードとは?何を守る道具?
    1. 「マウスガード」と「マウスピース」は同じもの?
    2. 守っているのは歯だけではない
    3. 歯ぎしり用の「ナイトガード」とは別物?
  2. スポーツマウスガードにはどんな効果がある?
    1. ケガのリスクはどのくらい変わる?
    2. 歯が折れるのを完全に防げる?
    3. 脳震盪(のうしんとう)は防げる?
    4. 記録が伸びる・筋力が上がるって本当?
  3. どの競技で必要?義務・許可・推奨のちがい
    1. 「義務」「許可」「推奨」は意味が違う
    2. 装着が義務・推奨されている主な競技
    3. 色やデザインが自由に選べない競技がある
    4. 実は歯のケガが多いのは、意外な競技
  4. 市販品と歯科医院のカスタムメイド、どちらを選ぶ?
    1. 2つは何が違う?
    2. ネット通販で作るマウスピースはどう?
    3. 競技によって中の作りが違う
  5. 費用はいくら?保険は使える?
    1. 費用の目安
    2. 保険は使えますか?
  6. 作るときの流れは?
    1. 型取りから完成まで
    2. 大事なのは、できあがった後の「調整」
  7. 子どもや矯正中の人はどうする?
    1. 成長期は「作り替えが前提」と考える
    2. 矯正中でもマウスガードは使える?
  8. お手入れと保管はどうする?
    1. 使ったあとは「常温の水」で洗う
    2. 熱にとても弱い
    3. 点検と作り替えの目安は?
  9. よくある質問
  10. まとめ|マウスガードは「思い切りプレーするため」の道具
  11. 参考文献・出典

スポーツマウスガードとは?何を守る道具?

マウスガードが守るものを示す図解

スポーツマウスガードとは、スポーツ中に口の中に装着して、歯と口のケガを防いだり、ダメージを軽くしたりするための安全具のことです。上の歯に装着するタイプが一般的です。

「マウスガード」と「マウスピース」は同じもの?

同じものです。呼び方が違うだけで、スポーツの分野では「マウスガード」と呼ばれます。

ただし「マウスピース」という言葉は、矯正治療のもの、ホワイトニング用のもの、歯ぎしり用のものまで幅広く指します。歯科医院で相談するときは「スポーツで使うマウスガードを作りたい」と伝えると、話が早く進みます。

守っているのは歯だけではない

マウスガードが守るのは、前歯だけではありません。次の5つの役割があるとされています。

  • 歯と口の中を守る
  • 歯ぐきを傷つけたり、自分の歯で唇・粘膜・舌を噛んだりするのを防ぐ
  • 自分の歯で接触した相手や自分自身を傷つけるのを防ぐ
  • あごの骨やあごの関節を守る
  • 過剰な噛みしめから歯やあごの関節を守る

「相手を傷つけないため」という役割は、見落とされがちです。

歯ぎしり用の「ナイトガード」とは別物?

別物です。兼用はおすすめできません。

ナイトガードは眠っている間の持続的な力を受け止める装置で、スポーツマウスガードは一瞬の強い衝撃を吸収・分散することを想定して作られています。厚みも材料も違うため、夜用を試合に持っていっても期待した働きはしてくれません。

しょう
しょう

「夜の歯ぎしり用を試合でも使えたら」と思う人もいるかもしれないね。気持ちは分かるんだけど、あれは眠っている間のじわっとした力を長い時間受け止める作りだから、ぶつかる衝撃は想定していないんだ。もったいないけど、スポーツ用は別に用意したほうがよさそうかな。

スポーツマウスガードにはどんな効果がある?

マウスガードが衝撃をやわらげるしくみ

もっともはっきりしているのは、歯と口のケガを減らす効果です。一方で、よく言われている効果の中には、まだ言い切れないものもあります。順番に見ていきます。

ケガのリスクはどのくらい変わる?

世界歯科連盟(FDI)の報告では、マウスガードを装着していない人がスポーツで歯のケガを負うリスクは、装着している人の1.6〜1.9倍とされています。防具として十分に意味のある差です。

歯が折れるのを完全に防げる?

いいえ、ゼロにはできません。期待できるのは、衝撃を吸収・分散して、ケガが起きる危険や重症度を減らすことです。歯が折れたり抜けたりするような力が加わっても、歯がぐらつく程度までダメージが軽くなるといわれています。

ただし、衝撃の向きや強さによっては防ぎきれません。「ケガをなかったことにする」のではなく、「大ケガを小さなケガに変える」道具だと考えてください。

脳震盪(のうしんとう)は防げる?

「防げる」と言い切ることはできません。

衝撃を吸収・分散する仕組みから、噛むことで首の筋肉が働いて頭が安定し、脳への衝撃がやわらぐのではないかと考えられてきました。ただし実際に脳震盪の発生を減らせるかについては研究結果が一致しておらず、予防効果は確立していません。

「マウスガードをつけているから頭は大丈夫」と考えるのは危険です。頭を打ったあとに気分が悪い、記憶があいまいといった様子があれば、装着の有無にかかわらず競技を中止して医療機関を受診してください。

記録が伸びる・筋力が上がるって本当?

記録や筋力が上がるという研究もありますが、結果は一貫しておらず、パフォーマンスの向上効果は確立していません。よく紹介されているのは「噛み合わせが良いとスポーツパフォーマンスの向上が期待できる」という話で、主役はマウスガードではなく健康な歯と噛み合わせです。虫歯や歯周病を治しておくことのほうが、この文脈では大切になります。

どの競技で必要?義務・許可・推奨のちがい

競技ごとに決まっているマウスガードの色のルール

競技ごとのルールは「義務」「許可」「規定なし」の3段階で整理されています。そしてこれとは別に、歯科の立場からの「推奨」があります。ここが混同されやすい部分です。

「義務」「許可」「推奨」は意味が違う

区分意味
義務ルールで装着が義務づけられている。条件(色・厚みなど)を満たす必要がある
許可ルール上「つけてもよい」。条件つきのことが多い
明確な規定はない競技団体の規則にマウスガードの記載がない
推奨(歯科の立場から)ルールの区分ではなく、競技の性質からみて装着した方がよいという考え方
※「義務・許可・規定なし」は競技団体の規則にもとづく区分、「推奨」は歯科外傷を防ぐ観点からの位置づけです(出典:日本スポーツ歯科医学会「スポーツ競技とマウスガード」/8020推進財団「8020読本」)

たとえばサッカーは、ルール上は「危険な装備でなければ使用可能」=許可の扱いですが、歯のケガが多い競技なので歯科の立場では装着が望ましいとされています。「サッカーは推奨されている」という説明は、この2つが混ざったものです。

装着が義務・推奨されている主な競技

日本スポーツ歯科医学会がまとめた一覧(2026年7月現在)から、主なものを整理しました。規則は大会・年代・性別・リーグによって異なります。実際に作る前には、必ず所属団体で最新の決まりを確認してください。

競技区分条件など
ボクシング義務赤系以外の色。借りたものの使用は禁止
キックボクシング義務国内はストラップ付き不可
空手(組手・一部団体)義務透明のみ
テコンドー義務透明・白のみ。厚さ3mm以上
総合格闘技義務歯にしっかり合ったもの
アメリカンフットボール義務白・透明は禁止。上の歯すべてを覆う
ラクロス(女子)義務白・透明は禁止。歯の絵柄も不可
ラクロス(男子)義務白・透明以外を推奨。歯科医師または歯科技工士が調整・作製したもの
ラグビー中学生・高校生相当は義務/小学生は推奨赤色は禁止
ホッケー義務(GKは推奨)中高生は義務の場合あり
アイスホッケーU-20男子は義務(顔全体を覆う防具を着けない場合)/成人女子は推奨白・肌色・透明以外
モータースポーツ・バイク推奨カスタムメイドが推奨。赤以外の明るい色
バスケットボール許可透明
高校野球許可透明・白に限る
柔道許可透明・白のみ。畳に上がる前に審判へ申告
ハンドボール許可透明で単色のみ
サッカー許可危険な装備でなければ使用可能
バレーボール・レスリング・ソフトボール など明確な規定はない
※競技団体の規則にもとづく区分。2026年7月現在の情報をもとに作成(出典:日本スポーツ歯科医学会「スポーツ競技とマウスガード」)。なお、ゴルフのように公式戦・競技会で使用が制限される競技もあります(出典:8020推進財団「8020読本」2025年1月現在)

色やデザインが自由に選べない競技がある

表のとおり、色の決まりがある競技はかなり多いです。赤系が禁止されている競技が目立つのは、口の中の出血と見分けがつかなくなるため。逆にアメリカンフットボールのように「白・透明は禁止(審判から見てわかりやすい色にする)」という競技もあります。

規則は年代やリーグによっても変わります。作る前に、必ず所属するチームや競技団体に最新の決まりを確認してください。せっかく作ったのに試合で使えなかった、という事態を防げます。

しょう
しょう

できあがってから「その色は使えません」となってしまうと、けっこう切ないよね。色や厚みの決まりは競技だけじゃなく、年代やリーグでも変わることがあるんだ。申し込む前にチームの人へ一度確認してもらえると安心かな。

実は歯のケガが多いのは、意外な競技

「マウスガード=格闘技やラグビーのもの」と思われがちですが、データは少し違います。

野球・ソフトボール、バスケットボール、サッカー、バレーボールなどは、ラグビーやアメリカンフットボールといった激しくぶつかる競技よりも、歯のケガが多くなっています。競技人口が多いことに加え、勢いのあるボールやバットとの接触でケガが起きるためです。実際に報告されている事例には、次のようなものがあります。

  • ゴロを捕りに行ったらバウンドが変わり、口にボールが当たった(野球)
  • 転倒して地面に顔を打ちつけ、前歯が欠けた(サッカー)
  • ボールを追ってゴールポストや壁に衝突した(サッカー・バレーボール)

また、成長期の歯のケガは、学年が上がって競技が激しくなるほど増える傾向にあります。2013〜2023年度に学校などの管理下で起きた重い障害4,053件のうち、748件は3本以上の歯が欠けた・抜けたケガで、そのうち約6割はスポーツ中に起きたものでした。

市販品と歯科医院のカスタムメイド、どちらを選ぶ?

市販品と歯科医院のカスタムメイドの比較

カスタムメイドは、歯並びや競技に合わせて作って調整できるため、一般に適合性や保持力、装着感に優れます。ケガを防ぐうえでは、しっかり口に合ったものを使うことが大切です。ただし、市販品が無意味というわけではありません。

2つは何が違う?

市販品は、スポーツ用品店やインターネットで購入し、自分でお湯につけて口に合わせるタイプです。手軽で価格も抑えられますが、試着ができず、自分でぴったり合わせるのが難しいのが弱点です。フィットしないと会話や呼吸がしづらく、外れやすくもなります。

カスタムメイドは、歯科医師が口の中や歯並び、成長の状態、参加する競技を確認したうえで型をとり、その模型をもとに歯科医師または歯科技工士が作ります。できあがった後に噛み合わせを調整するところまでが一続きです。

項目市販品(既製品)カスタムメイド
入手方法店やネットで購入し自分で調整。試着はできない歯科医院で型をとって作製。後日調整する
ケガの予防効果カスタムメイドより劣る既製品に比べて優れている
装着感自分で合わせるのが難しいフィットがよく、噛み合わせも安定しやすい
価格千円前後から3万円台数千円から数万円
作った後のケア自分での手入れが基本歯科医院での定期的な点検・調整が推奨される
※価格は材料やデザインによって異なります(出典:8020推進財団「8020読本 カスタムメイドマウスガードでスポーツ中の歯と口を守ろう」)

ネット通販で作るマウスピースはどう?

型取りキットを送って個人向けに作らせる通販サービスについては、注意が必要です。

厚生労働省は、インターネット通販を使ったマウスピース製作事業について、特定の個人に合わせて作るマウスピースは歯科医師の判断と技術が必要な行為にあたり、歯科技工士法にもとづく歯科技工として作られるべきものという趣旨の回答を示しています(令和元年10月)。

スポーツ用品店で買って自分で成形する既製品とは話が別で、問題になるのは「自分専用として作ってもらう」タイプのサービスです。

競技によって中の作りが違う

カスタムメイドは、競技に合わせて構造を変えて作られます。バレーボールや陸上競技などは衝撃吸収材1枚の1層タイプ、サッカーやラクロスなどは前歯の裏側に厚みを持たせた改良型1枚法、ラグビーやアメリカンフットボールなどは材質の違う吸収材を重ねた2層タイプ、格闘技などは3層にして歯との間に1mmほどのすき間を設けたハード&スペースタイプが使われます。

同じ「カスタムメイド」でも中身は違います。相談のときは競技名を必ず伝えてください。

費用はいくら?保険は使える?

費用の目安

市販品は千円前後から3万円台、歯科医院で作るカスタムメイドは数千円から数万円が目安です。材料やデザイン、層の数によって幅があります。

費用は歯科医院ごとに設定が異なり、色やデザインで追加費用がかかることもあります。また、型取り・調整・作り直しの費用が含まれるかどうかも医院によって違います。予約のときに費用も一緒に確認しておくと安心です。

保険は使えますか?

スポーツ目的のマウスガードは健康保険の対象外で、原則として自費診療になります。

ここで混同されやすいのですが、ケガをした歯の治療や保護を目的とした口腔内装置は、状態や装置の種類によって保険診療になる場合があります。これはスポーツ用マウスガードとは目的も扱いも別のものです。判断は状態によって変わるので、歯科医院で確認してください。

作るときの流れは?

型取りから完成まで

まずはかかりつけの歯科医院に、競技の種類・色・デザイン・費用を相談するところから始まります。流れは次のとおりです。

  1. 歯の型取りと噛み合わせの型取りをする(その後、模型をもとに作製)
  2. できあがったものを装着し、噛み合わせなどを調整して仕上げる
  3. 実際に使ってみて、装着感やしゃべりやすさを確認し、さらに調整する
  4. 定期的に点検を受ける

完成までにかかる日数は歯科医院によって違います。シーズン直前に慌てないよう、余裕をもって相談してください。

大事なのは、できあがった後の「調整」

マウスガードは装着して終わりではなく、実際に噛んで、しゃべって、気になるところを削って合わせていく作業が必要です。装着した当初は吐き気をもよおす感じや発音のしにくさが出ることもありますが、調整と慣れによって徐々に改善していきます。合わないからと自己判断でやめる前に、一度相談してみてください。

なお、スポーツ歯科に詳しい歯科医師には「スポーツデンティスト」という資格があります。日本スポーツ協会のサイトで探せるので、かかりつけで対応が難しい場合は調べてみてください。

子どもや矯正中の人はどうする?

成長期の子どもはマウスガードの作り替えが必要

成長期は「作り替えが前提」と考える

子どものマウスガードは、作り替えが必要になることを前提に考えてください。あごの成長と歯の生えかわりにともなって、歯並びや噛み合わせが変わっていくためです。

市販品でも定期的な買い替えが必要ですし、カスタムメイドでも点検で調整したり、改めて作り直したりすることになります。点検の目安は成長期は6か月に1回以上、大人は年1回以上です。「何歳から作れるか」は年齢で決まるものではなく生えかわりの状況によるので、歯科医院で見てもらったうえで判断してください。

矯正中でもマウスガードは使える?

使えます。むしろ、歯列矯正の治療中はスポーツ時の装着が推奨されています。

矯正装置がついた状態で口をぶつけると、装置が唇や粘膜を傷つけてしまう心配があるためです。競技によっては、取り外せない矯正装置をつけている選手について、診断書の提示や専用のマウスガードの使用を定めているものもあります。矯正中であることは、必ず作製前に伝えてください。

お手入れと保管はどうする?

マウスガードのお手入れのOKとNG

使ったあとは「常温の水」で洗う

使用後は常温の水で洗ってください。お湯で洗うと変形するおそれがあります。

清掃には、マウスガード専用のスプレーや義歯用の洗浄剤が効果的とされています。義歯用洗浄剤を使うときは、洗浄後すぐに液から取り出してよく水洗いするのがポイントです。細かい傷がつきやすいため、歯ブラシやスポンジで力を入れて内側をこする必要はありません。汚れが気になるときは歯科医院に相談してください。

熱にとても弱い

マウスガードの材料は高温に弱く、変形すると元には戻りません。次のことは避けてください。

  • 熱湯消毒・煮沸消毒をする
  • お湯で洗う
  • 乾燥機に入れる
  • 暖房器具のそばに置く

特に多いのが、ユニフォームのポケットに入れたまま洗濯し、そのまま乾燥機にかけてしまうパターンです。使わないときは、乾かした状態で専用のケースに入れて保管してください。ケースは外から圧力がかからないものを選びます。

点検と作り替えの目安は?

点検は半年から1年に1度、特にシーズン前に受けることが勧められています。作り替えは、1年に1度、あるいは1シーズンに1度程度が目安です。ただし一律ではなく、成長期や、破損・変形・合わなくなっている場合には、これより早く必要になります。

劣化したマウスガードは変形して口に合わなくなります。競技中に外れやすいものは、誤って飲み込む危険やプレーへの支障にもつながります。次のような異常があるときは使用を中止し、作った歯科医院に相談してください。

  • ゆるい、外れやすい
  • 会話しにくい
  • においが気になる
  • 痛みや破損がある

なお、他人のマウスガードを使うことは避けてください。他人の口には合わないうえ、感染のおそれがあります。競技によっては、規則で借用が禁止されているものもあります。

しょう
しょう

うっかりやってしまいがちなのが、ユニフォームのポケットに入れたまま洗濯してしまうパターンかな。熱でくにゃっと変形すると、もう元には戻らないんだ。ケースに入れて持ち歩く習慣がつくと、だいぶ長持ちすると思うよ。

よくある質問

Q. 夜の歯ぎしり用マウスピースを試合で使ってもいいですか?
A. おすすめできません。ナイトガードは眠っている間の持続的な力を受け止める装置で、スポーツの衝撃を想定した設計ではありません。競技用は別に作ってください。

Q. 練習のときもつけたほうがいいですか?
A. はい。練習中のケガは少なくないため、試合だけでなく練習から使うことが勧められています。普段から使って慣れておくことにもつながります。

Q. つけると話しにくくなりませんか?
A. 装着した当初は発音しにくさや吐き気をもよおす感じが出ることがありますが、調整と慣れによってある程度は改善していきます。気になるときは自己判断でやめず、作った歯科医院で調整を受けてください。

Q. 競技中に水分補給はできますか?
A. できます。ただしスポーツドリンクを飲んだ後は、マウスガードを外して水を飲むか、うがいをしてください。糖分が口に残ったままだと虫歯のリスクにつながります。

Q. 何歳から作れますか?
A. 年齢で一律に決まるものではなく、歯の生えかわりの状況によります。成長期は作り替えを前提に、6か月に1回以上の点検を受けてください。

Q. マウスガードをつけていれば、歯が折れることはなくなりますか?
A. ケガをゼロにはできません。期待できるのは、大きなダメージを小さくすることです。それでも、装着していない場合とくらべて歯や口のケガのリスクを下げることが示されています。

まとめ|マウスガードは「思い切りプレーするため」の道具

歯科医師がマウスガードについて説明するイラスト

スポーツマウスガードについて整理します。

  • 歯と口のケガを減らす効果がある。装着していない人のケガのリスクは、装着者の1.6〜1.9倍とされる
  • ケガをゼロにはできない。脳震盪の予防効果も「言い切れる」段階ではない
  • 競技ごとに「義務・許可・規定なし」のルールがあり、色の決まりも多い。作る前に所属団体へ確認する
  • カスタムメイドは歯並びや競技に合わせて作れるため、適合性や装着感に優れる
  • お湯はNG、常温の水で洗う。点検は半年〜1年に1度、作り替えは1年か1シーズンに1度が目安

歯は、折れてしまってから元どおりにするのが難しい体の一部です。マウスガードは、こわがるための道具ではなく、思い切りプレーするための道具です。気になることがあれば、シーズンが始まる前に、一度かかりつけの歯科医院で相談してみてください。

すでに歯をぶつけて欠けてしまった場合の対応は歯が欠けた・割れたときの対処法で、夜の歯ぎしりが気になる方は歯ぎしり用マウスピース(ナイトガード)で解説しています。マウスピース類の手入れについてはナイトガードの手入れと交換時期もあわせてご覧ください。

参考文献・出典

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