朝起きたときに顎が痛かったり、だるさや疲れを感じたりすることはありませんか?
「寝違えたのかな?」「そのうち治るだろう」と思っていても、実は歯ぎしりや食いしばり、顎関節症が関係していることがあります。
朝の顎の痛みは、睡眠中に顎や筋肉へ負担がかかっているサインかもしれません。
この記事では、朝起きると顎が痛い・疲れる原因やセルフチェック方法、改善方法について現役歯科医師の視点からわかりやすく解説します。
朝起きると顎が痛いのはなぜ?

朝起きた直後だけ顎が痛い場合、多くは睡眠中に顎へ負担がかかっていることが原因です。特に多いのが、
- 歯ぎしり
- 食いしばり
- 顎関節症
- 顎の筋肉疲労
です。睡眠中は無意識のため、自分では気付いていないケースも少なくありません。実際の診療でも、「朝だけ顎が痛い」という患者さんの多くに歯ぎしりや食いしばりのサインが見られます。
あなたは大丈夫?セルフチェック

次の項目に当てはまるものがないか確認してみましょう。
- □ 朝起きると顎が疲れる
- □ 朝だけ顎が痛い
- □ 顎が開けにくい
- □ 家族から歯ぎしりを指摘された
- □ 頬の内側に歯型が付いている
- □ 舌の縁がギザギザしている
- □ 肩こりや頭痛がある
- □ 詰め物や被せ物がよく外れる
- □ 歯がしみることがある
3つ以上当てはまる場合は、歯ぎしりや食いしばりが関係している可能性があります。
朝起きると顎が痛い主な原因

歯ぎしり
最も多い原因の一つが歯ぎしりです。睡眠中の歯ぎしりでは非常に強い力が歯や顎に加わります。朝になると、
- 顎がだるい
- 筋肉が疲れている
- 顎が痛い
といった症状が現れることがあります。歯ぎしりは無意識に行われるため、自分では気付きにくいのが特徴です。原因や対策は歯ぎしりの原因とは?で詳しく解説しています。
食いしばり
歯ぎしりだけでなく、強く噛みしめる「食いしばり」も原因になります。食いしばりでは歯を横に動かさないため音が出ません。そのため家族にも気付かれにくい傾向があります。しかし顎の筋肉には大きな負担がかかります。朝起きた時の顎の疲れは、食いしばりが原因であることも少なくありません。
顎関節症
顎関節症も朝の顎の痛みの原因になります。顎関節症では、
- 顎が痛い
- 口が開けにくい
- 顎がカクカク鳴る
などの症状が現れます。歯ぎしりや食いしばりが顎関節症を悪化させることもあります。
顎関節症について詳しくは、顎関節症とは?症状・原因・治療の記事で解説しています。
顎の筋肉疲労
顎を動かす筋肉は、食事や会話だけでなく歯ぎしりや食いしばりでも使われています。睡眠中に長時間負担がかかると、筋肉痛のような状態になることがあります。運動した翌日に筋肉痛になるのと似たイメージです。
ストレス
ストレスも歯ぎしりや食いしばりを悪化させる要因の一つです。仕事や人間関係、育児などによるストレスが続くと、睡眠中の筋肉活動が増えることがあります。ただし、ストレスだけが原因ではありません。睡眠や生活習慣など複数の要因が関係しています。

音のしない食いしばりタイプの人は、家族にも気づかれにくいんだ。「朝、顎が疲れている」が唯一のサインということも多いんだよ。
歯科医院でよく見られる歯ぎしりのサイン

歯ぎしりや食いしばりは自覚症状がないことも多く、歯科検診で初めて指摘されるケースもあります。
頬の内側に歯型が付いている(頬粘膜圧痕)
頬の内側に白い線のような跡が付いている状態です。無意識に強く噛みしめている方によく見られます。
舌の縁がギザギザしている(舌圧痕)
舌の周囲に歯型が付いている状態です。食いしばりが強い方に多く見られます。
歯がすり減っている(咬耗)
歯ぎしりが続くと歯の先端が平らになってきます。長期間続くと知覚過敏の原因にもなります。
被せ物や詰め物が壊れやすい
歯ぎしりによる力は非常に強く、
- セラミックの破損
- ジルコニアの欠け
- 詰め物の脱離
につながることがあります。高額な補綴物を長持ちさせるためにも、歯ぎしり対策は重要です。

診療では、頬の内側の歯型や舌のギザギザを見つけて「夜、食いしばっていませんか?」と聞くことが多いんだ。本人より先に、お口の中が教えてくれるんだね。
放置するとどうなる?

顎関節症が悪化する
初期は朝だけの痛みでも、進行すると日中も症状が続くことがあります。
口が開けにくくなる
顎関節への負担が続くと開口障害につながることがあります。大きく口を開けるのが難しくなる場合もあります。
知覚過敏が起こる
歯の摩耗が進行すると歯がしみやすくなります。
歯が割れることがある
強い歯ぎしりでは歯にヒビが入ったり、破折したりすることもあります。天然歯だけでなく被せ物にも影響します。
朝起きると顎が痛い時の改善方法

睡眠環境を整える
睡眠不足や不規則な生活は歯ぎしりを悪化させる可能性があります。
- 十分な睡眠を取る
- 夜更かしを減らす
- 就寝前のスマホを控える
といった習慣を心掛けましょう。
ストレスを溜め込まない
適度な運動や趣味の時間を作ることも大切です。リラックスする時間を意識的に確保しましょう。
日中の食いしばりを減らす
パソコン作業中やスマホ使用中に歯を接触させていないか確認してみましょう。本来、安静時は上下の歯は接触していません。
ナイトガードを使用する
歯科医院で作るナイトガードは、歯ぎしりによる負担を軽減する代表的な治療法です。
- 歯を守る
- 顎を守る
- 被せ物を守る
といった効果が期待できます。詳しくは歯ぎしり用マウスピース(ナイトガード)の効果・費用もご覧ください。
歯科医院で相談する
顎の痛みが続く場合は、一度歯科医院で相談することをおすすめします。歯ぎしりや顎関節症が隠れている場合があります。早めに原因を確認することで、大きなトラブルを防ぎやすくなります。

ナイトガードは保険で作れることが多いんだ。朝の顎の痛みが続くなら、我慢せずに相談してほしいね。
よくある質問
Q. 朝だけ顎が痛いのですが放置しても大丈夫ですか?
A. 一時的な筋肉疲労の場合もありますが、症状が続く場合は歯科医院で相談することをおすすめします。
Q. 顎がカクカク鳴るのは顎関節症ですか?
A. 顎関節症の可能性があります。痛みや開口障害がある場合は受診を検討しましょう。
Q. 歯ぎしりが原因かどうか自分で分かりますか?
A. 自分で判断するのは難しい場合があります。歯科医院では歯の摩耗や舌圧痕などから判断できることがあります。
まとめ

朝起きると顎が痛い・疲れる原因として、
- 歯ぎしり
- 食いしばり
- 顎関節症
- 顎の筋肉疲労
- ストレス
などが考えられます。また、
- 頬に歯型が付く
- 舌がギザギザしている
- 歯がすり減っている
- 被せ物が壊れやすい
といったサインが見られることもあります。放置すると顎関節症や歯の破折につながることもあるため注意が必要です。
朝の顎の痛みや疲れが続く場合は、かかりつけの歯科医院に相談してみましょう。



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