[現役歯科医が考える]歯の治療のゴールについて解説

その他
やす
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歯の治療のゴールって何だろう?

今回は10年近く歯医者をやってきた自分が、今考える自分なりの治療のゴールを独断と偏見で伝えたいと思います

自分より崇高な目標を掲げている方、素晴らしい技術を持った方はいくらでもいらっしゃるので、あくまで1個人の歯科医の意見として、何かの参考にしてもらえればと思います。

この記事を読むことで
  • 自分の歯のことに興味を持った
  • 歯の大切さに気付いた
  • 何となく、どうすれば歯のことで困らなくて済むかが分かった

そんな人が増えてくれたら嬉しいです。

では見ていきましょう!

歯の治療のゴール

やす
やす

簡単に言えば、なるべく自分の歯を長く使うのが目標かな

今回は矯正などは含めず、とりあえず70〜80点を取ろう!くらいのイメージです。しかし正直ここを押さえておけば、将来口の中のことで困る人がグッと減るのではないかなと思います。

  • 虫歯は治療済み(古いかぶせ物は交換)
  • 歯周病もそんなになく、プラーク(歯垢、汚れ)コントロールが良い状態で、年に1回くらい歯医者で定期健診→最初は3ヶ月に1回、自分でセルフコントロールができるようになってきたら半年に1回、最終的には年に1回くらい
  • 口の中になるべく保険の材料が入っていない
  • 数年くらいかかってもいい
やす
やす

みなさん、普段何も意識せず普通に美味しく好きなものを食べれていますか?

何も気にせず食べてるよ

ざっくり言ってしまえば、その状態をなるべく長く歳をとっても続けてもらいたいというのが自分の考えです。

  • 歯が痛くてご飯が食べれない
  • 歯がなくなって、ご飯が食べづらい
  • 入れ歯になってしまって、ご飯が美味しくなくなった…

普段診療しているとこういう方も多いです。

ご飯ばっかり(笑)

でもご飯を食べない人っていないですよね?普段当たり前にしている食事が出来なくなった自分を想像してみて下さい。

  • お肉大好きだから、歳を取っても普通にお肉食べたい!
  • 固いものをいつまでもバリバリ食べたい
  • 旅行先でご当地グルメを食べるのが好き

もちろん全員ではないでしょうが、美味しいものを食べるのが好きな人は多いのではないでしょうか。そして食事をするとき1番最初に通る場所が「口」です。そこにトラブルがあったら当然ご飯を食べる喜びが減ります。

やす
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実際80歳くらいになってもしっかり歯が残っている人って、元気だったり若々しい人が多い気がするよ

歯がなくなり物が食べれなくなると食事だけでなく、他の悪影響もあったりしますね。

虫歯

結論
  • 虫歯は痛くなる前に小さいうちに治す(自分では気付きにくいので、歯医者でチェックしてもらう)
  • 昔銀歯やプラスチックで治してあるところはなるべく自費でやりかえる

虫歯は痛くなる前に小さいうちに治す

痛くなってから治すのはダメなの?

やす
やす

痛くなった時には、虫歯がかなり進行していることが多いんだよ

虫歯は極力早く見つけて早く治すのが、結果的に簡単で費用も安く済みます。放っておけばおくほど、虫歯が進行すればするほど治療は長引き保険でも自費でも費用が高くなります。そしてもう1つ大事なのが基本的に虫歯は自然に治ることはありません。

基本的にってことは自然に治ることもあるの?

やす
やす

本当に初期の虫歯COという状態なら、再石灰化で治癒も期待できるよ

しかし基本的には自然に治らないので、だったら悪化する前に治した方がいいですよね。

でも痛くもないのに本当に治さないといけないの?

やす
やす

よく聞かれる質問だね

虫歯を早めに治した方がいい理由
  • 本当に初期のもの(CO)以外は自然に治らない
  • 虫歯が進行すれば、強い痛みが出やすくなる
  • 虫歯が進行すれば、その分治す時に歯を削る量が増える
  • 歯を削る量が増えれば、術後に痛みが出るリスクが上がる
  • 神経まで虫歯が進行すれば、激痛になる可能性もある。また治療の回数や費用もかなり増える

痛くないのに本当にやらないといけないのかと思う気持ちはとてもよく分かりますが、上記のような理由で虫歯の治療を先延ばしにするメリットは残念ながら思いつかないです。

昔銀歯やプラスチックで治してあるところはなるべく自費でやりかえる

別に今使えているし、早めにやりかえる必要ってあるの?

やす
やす

明らかな虫歯に比べて優先順位は下がるけど、長期的になるべく自分の歯を長く大切にしたいなら、自費の材料は使っていかないと厳しいね

全部一度にやりかえないとマズイとは言いません。ただ事実として、保険の銀歯やプラスチックは劣化しやすいので、ある程度の年月が経ってくると隙間から虫歯になっていることが本当に多いのです。虫歯があるかないかはレントゲン検査である程度は診断できるので、定期健診に通いつつたまにレントゲン検査で被せ物の中もチェックしてもらいましょう。

保険と自費については以前詳しく触れたのでここでは詳しく書きませんが、簡単に言えば保険は安いが長持ちはしにくい、自費は高くはなるが長持ちはしやすいという感じです。

やりかえたくても自費は高いんだよね?

やす
やす

そこが自費のネックだね

なので、全部一度にではなくても、たまに定期健診でチェックはしつつ長期的に見ていずれは保険の材料から自費の材料にシフトしていけたらいいんじゃないかなと思っています。保険のものだってすぐにダメになるわけではないですからね。

歯周病

結論
  • 歯医者で専門的なクリーニングを定期的にしてもらう
  • 普段歯ブラシとデンタルフロスをしっかりやる

とにかく歯周病の予防、治療で大事なのはいかに歯垢(プラーク)を落とせるかです。これができないことには始まりません。逆に言えばこれさえできれば、かなり歯周病を予防することができます。

なんだ、簡単じゃん

やす
やす

そう、そんなに難しいことじゃないはずなんだけど、実際に出来ている人って意外と少なかったりするんだよ

そして虫歯同様、歯周病も初期から中等度までは自覚症状がないことが多いです。重症化してくると完治が困難になっていきます。だから早めに見つけて早めに治すために、気が進まないのは分かりますが、歯医者に行って調べてもらいましょう。

歯周病の治療はある程度保険でできることが多いので、費用の心配は少ないかもしれませんね。

期間

結論から言えば、自分は数年の長期間で治療を考えても良いんじゃないかなと思っています。

大体自費の被せ物は、部分的なもので5〜6万円、全体的なもので10〜15万くらいです。

やっぱり高い…

虫歯のところは最優先で治療するとして、理想は変に劣化が進む前に、虫歯が少しでも広がる前に早めに保険で昔治した銀歯やプラスチックをやりかえた方が良いとは思うんですが、やっぱり1度に全部は厳しい方が多いですよね。

やす
やす

だからそこは短期間ではなく、長期間で考えてみよう

虫歯も歯周病も短期間で急激に悪化することは希です。そして被せ物の劣化もすぐに起こるわけではありません。

例えば
  1. 歯にかけたいお金が十分にある方→基本自費治療
  2. 歯にかけたいお金が十分ではないが、まったくないわけでもない方→保険と自費を使い分ける
  3. 歯にかけたいお金が十分ではない方→とりあえず保険治療で出来ることをやる

1の方は治療後、そのまま定期健診を続ける。

2と3の方は、その後定期健診を続けながら、タイミングを見て保険の被せ物を自費にやりかえていく。

やす
やす

こんな考え方はアリかもしれないね

そんなすぐにお金貯められないよ

やす
やす

短期間では難しいかもしれないけど、長期間ではどうかな?

例えば
  • 家計簿をつけて収入と支出を見直してみる
  • 通信費を見直す
  • 電力会社を見直す

ここに書いたのはほんの一部ですが、色々お金を貯めるために見直せることってありませんか?

そこで生み出された資産を、自分の健康への自己投資として歯にも適度にお金をかけてもらえると、歯医者としては嬉しいなと思っています。

  • 俺は歯がない方がいい!
  • 歯がない方が生活の質が高い!

そんな方にはその方の価値観があるので、これ以上こちらからは何も言いません(笑)

ただ現実問題お金を貯めたり、特に稼いだりする具体的な方法ってなかなか分からないですよね。自分もそこに関しては全く専門家ではないので、自分が自信を持って家族や友人にも勧められるお金に関して信頼できる情報を発信し続けてくれている方を紹介しておきます。

両学長 リベラルアーツ大学
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人じゃなくてマッチョライオンじゃん!

やす
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見た目は怪しいかもね(笑)

実際に自分もこの情報発信を見ながら実践していることがたくさんあるので、そこら辺も今後ブログで書いていこうかなとは思っています。

まとめ

やす
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何となく自分が考える治療のゴール、伝わりましたか?

  • 虫歯は治療済み(古いかぶせ物は交換)
  • 歯周病もそんなになく、プラーク(歯垢、汚れ)コントロールが良い状態で、年に1回くらい歯医者で定期健診→最初は3ヶ月に1回、自分でセルフコントロールができるようになってきたら半年に1回、最終的には年に1回くらい
  • 口の中になるべく保険の材料が入っていない
  • 数年くらいかかってもいい

もちろん普通の勤務歯科医が考えたゴールなので色々ツッコミどころはあるのかもしれないですが、少なくともここに書いてあることを実践していれば、何もしていない人より将来口の中のことで困る確率はかなり下がるのではないでしょうか。

歳をとっても美味しくご飯が食べられて、歯も含めて少しでも健康でいられる人が増えたら良いなと思います。

ではまた!

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