[初心者向け]歯科健診について現役歯科医が解説!

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歯科健診とは

最近ニュースで国民皆歯科健診の話題をたまに見ますね。

まだ実現するかどうかも分からないのでとりあえず賛否は置いておいて、そもそも歯科健診はなぜ必要なのか、何をするのかを書いていきたいと思います。

この記事を読むことで、自分にとって歯の健診が必要かどうか考えるきっかけになってもらえると嬉しいです。

そもそも歯科健診では何をする?

みなさんは歯の健診に行ったことがありますか?

過去1年の間に歯の健診に行ったことがある人は約2人に1人です。

病院ごとに違う部分もあると思いますが、簡単に歯の健診では何をするのか一緒に見ていきましょう。

レントゲン検査

歯医者に健診か治療に行った人であれば、大体の方がレントゲンを撮ったのではないでしょうか。

なぜレントゲンを撮るの?

目視だけでは口の中の状態を知るには不十分で、レントゲンでしか分からない情報がたくさんあるからです。

  • 虫歯の大きさ
  • 歯の歯の間の虫歯
  • 被せ物の中の状態
  • 顎の骨の溶け具合
  • 歯の根っこの先に膿が溜まっていないか

たまにですが、レントゲンを撮りたくない方がいます。

もちろん強制的に撮るものではないので自由ではありますが、保険適用で1500円いかないくらいで撮影できるので、自分の歯の状態をより正確に知るために撮って損はしないと思いますよ。

レントゲンなんて撮らなきゃよかった…

という人に自分は出会ったことはありません(笑)

レントゲン検査も併用し、口の中のトラブルを早期発見していきましょう。

歯周病検査

歯医者に行って、歯茎をチクチク触る検査をやったことがありませんか?

それが歯周病の検査です。

詳しいことはここでは触れませんが、数字が大きかったり、血が出ると悪い証拠です。

日本人はかなり多くの方が歯周病になっています。

lhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-03-004.html

歯周病は初期のうちはほとんど症状がないのですが、放っておくと歯を支えている歯槽骨という骨を溶かしてしまいます

その結果、歯がグラグラして最悪自然に歯が抜けてしまうことすらある恐ろしい病気です。

やす
やす

ちなみに自分は経験がないのですがたまに聞くのが、歯型を取ったら元々グラグラしていた歯が抜けちゃったとか…

歯周病は初期のうちであれば比較的治しやすい病気ですが、重症化したものを治していくことはものすごく大変なので、将来自分の歯を失いたくない方は早めに健診で見つけて治しておくことが大切です。

クリーニング

虫歯も歯周病も、歯に付着するプラークという汚れに虫歯菌や歯周病菌が増えることによって、悪化していきます。

なので、歯に付着しているプラークやプラークが石灰化し固くなった歯石を落とすことは虫歯や歯周病の予防に繋がります。

ところでみなさん、歯を失う原因が何だかわかりますか?

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-04-002.html
  1. 歯周病
  2. 虫歯
  3. 破折

つまり汚れを落とす習慣をつけておくこと、定期的な歯の定期健診や日頃の歯磨きをしっかり続けていくことは、将来歯を失うリスクを下げることができるのです。

歯科健診は必要?

歯を失ってしまうと、大人の歯は2度と生えてきません。

歯がないところには入れ歯やブリッジ、インプラントなどの治療法もありますが、自分の歯以上に優れているものはありません!

  • 入れ歯・・・使い心地が悪い、固いものが噛みづらい
  • ブリッジ・・・両隣の歯をたくさん削る
  • インプラント・・・顎の骨にドリルで穴をあける

年に何回かの歯の健診に行けば、悪いところを見つけて早めに治してもらったり、自分では磨ききれないところをクリーニングしてもらえます。

虫歯も歯周病も初期はほとんど症状がありません!痛くなったときにはそれなりに進行しているのです。

そして虫歯も歯周病も早く治した方が結果的に費用も安く済みますし、通院回数も少ないです。

逆に進行したものは何ヶ月も歯医者に通わなければ治せないことも多々あります。

みなさんなら、どちらを選びますか。

歯を失おうがどうでもいいという人も一定数はいるでしょうから、歯科健診の「義務化」というのはどうなのかなとは思います。

しかし今まで多くの患者さんを診てきて

  • 今までしっかり歯のメンテナンスをしてきてよかった
  • 歯は何本か失ってしまったけど、その後適切に処置をしておいたおかげで、まだ美味しくご飯が食べられる
  • 歯があるおかげで、大好きな固いものがバリバリ食べられる

など歯の健診をしてきて良かったという方はたくさんいましたが

  • 定期健診なんて続けてこなければ良かった…
  • 歯がないのサイコー

なんて人は見たことも聞いたこともありません(いたらごめんなさい)

歯の健診が義務化されるかされないかに関わらず

  • 年を取ってからもおいしくご飯を食べたい
  • 将来口の中のことでなるべく困りたくない

こんな方たちは健診に行っておいて損はありません。

費用も保険適用の検査、クリーニング等であれば5000円かからず可能です。

毎月行けと言っているわけではないので、自分の健康への自己投資として行ってみるのはいかがでしょうか。

まとめ

みんな、歯科健診に行こう!

歯科健診はあくまで検査と必要であればクリーニングが主なやることなので、数千円のお金がかかることと少し自分の時間を使うこと以外はほとんどリスクはないのではないかと思います。

しかし、1つ注意してほしいことがあります。

歯の定期健診に行って後悔をした人を見たことがないとは言いましたが、歯の治療をして後悔している人はたくさん見てきました。

えっ、どういうこと??

健診をすると

  • 歯医者が久しぶりの人
  • 今まで歯の治療をしてきたけれど、あまり深く考えずに説明も受けずに治療してきた人

などはかなりの確率で何かしらの歯や歯茎のトラブルが見つかるかと思います。

そこでいざ治療となる場合、明らかに痛くてしょうがない場合などを除き、一度踏みとどまってください。

そう、ここで何も考えずに歯医者に言われるがまま治療されるのか、ある程度説明を聞いて自分の頭で考えてから治療に臨むのか。

そこから先の対応で、後から自分が後悔するかしないかが大きく変わると思います。

もったいぶるようで申し訳ないですが、今回はここまでにして続きはまた今度書きたいと思います。

あくまで今回のテーマは「歯科健診」

先ほども言いました。

歯の健診を続けていて後悔した人は見たことがありません。

義務化されるされないに関わらず将来自分の歯をなるべく長く使いたい人は、怖がらずにまずは気軽に歯医者に行ってみましょう。

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